もしもシリーズ★「もしもKinkiKidsが精神科医だったら」

ここは、とあるメンタルクリニック。
今日も秋空の下、二人(KinkiKids)の若き精神科医が悩める患者のために悪戦苦闘する。

カルテ1)

~現実逃避する一人の少女~

いつものようにパリッと白衣を着こなした光一Dr
新しい、クランケを迎えることになった。

光一Dr>次の方・・・Aさん、お入り下さい。
      しばしの静寂・・・ドア越しに緊迫感をひしひしと感じた光一Dr.顔色一つ変えないで
      冷静に待つ。
      するする・・・とドアが開く。目の前にはフランス人形そのものの可愛らしい少女。

光一Dr>どうぞ、おかけ下さい。・・・緊張しなくてもいいですよ?
      なぁんてね?無理かぁ・・・。(優しく少女に微笑む)

少女R>・・・・・・・・・。

光一Dr>さぁて・・・・今日は何月何日でしょう?

      唐突に質問されて、たじろぐ少女R
少女R>フランス革命の、真っ最中だわ・・・・。バスチーユ監獄が炎に包まれてる。

     光一は心の中、「ベルバラ」かい?と突っ込んでいた。

光一Dr>そうかぁ・・・。あなたはフランスが好きなんだなぁ?うん!そうかぁ。

少女R>(驚きを隠せない)先生・・・私のこと、おかしいと思わないの?こんな格好して・・。

光一Dr>そうだね?否定はしないよ。だって、いまどき、君みたいな服を着てる人、珍しくないし
     それに、僕は、神じゃないしね?

      そう言いながら白いカルテに、さらさらとペンを滑らしていく、光一。

少女R>(思いつめた様子で・・・)先生・・・やっぱり私、ヘンなんですよね・・・・。

        椅子の背もたれに体を預け空を見上げる光一。

光一Dr>おかしいとは思わないよ?むしろ、そうやって自分のことを現実から逃避させて下界     から身を守ってるだけなんだと思うから・・・。(一呼吸おく)
     だけどね?大切なのは今の、自分としっかり向き合うことが一番だと思う。
     
少女R>!?

光一Dr>君が、好きで来ている洋服について、誰かから何か釘を刺されたことあるよね?

      少女の目をじっと見つめる。端正な顔立ちの光一Drに少女は、どぎまぎする

少女R>あります。母です・・・・。(ふっと、光一Drの目線をかわす)

光一Dr>うん・・・。そうだろうね?お母さんだったら・・・・。そんな、お母さんのこと、どう思う?

少女R>・・・・あまり好きではありません・・・今の母は。
光一Dr>そうかぁ・・・・うん。そうだね?Rさんのこと全部、否定されているような気になる?

少女R>はい・・・。(ますます、肩身を狭くして光一からは完全に視線を落とした)

光一Dr>うん・・・・分るよ?じゃぁ・・・・どうすれば、お母さんとまた仲良しさんになれるかな?

       はっと、光一の顔を覗き込む。光一は、ニッコリ笑って、こう続ける。

光一Dr>多分ね?君のお母さんは、君の格好だけをどうこういってる訳じゃないと思う。
       やっぱり、心配なんだよ。君が、現実から目を逸らして妄想と呼ばれる世界にいる       からね?言っとくけど、何も妄想がわるいんじゃないよ?
       ちゃんと現実と向き合うことだよ?だから最初に今日の日付を訊いたんだ。

少女R>・・・・・・・。現実と向き合う・・・・。怖いです・・・・やっぱり怖い・・・。

光一Dr>大丈夫だよ?その為に君は、このクリニックに足を運んでくれたんだよね?
     だから、もう半分は治ったようなものなんだから・・・。

     そう言って、少女に微笑むと、またカルテに目を写し、ペンを振るう。

少女R>そうなんですか?私は、このクリニックのことを母から教えられて、一度、行って見るよ     うに言われたんです・・・・。

光一Dr>ふむふむ・・・・。

少女R>母は、看護師なので、物心ついたときから、あまり家にいない人でした。
     救急の仕事なので、ものすごく忙しくて・・・・。でも、最近、やめて違う仕事場で働いて     るみたい・・・・。

光一Dr>うんうん・・・。そうかぁ・・・寂しかったんだね?でも、もう大丈夫・・・。
     
     光一は、そういうと一人の看護師を呼んだ。

光一Dr>びっくりさせて、ごめんね?

少女R>お・・・・お母さん!?次の職場って・・・・堂本先生のクリニックだったのぉ!?

母>驚かせるつもりは、なかったんだけど・・・。あなたの寂しさ感じながらも、どうしても救急の
   仕事に、やりがいを感じていたものだったから・・・・今まで、本当に、ごめんね?
   
   そういうと、涙ぐんだ母親。

少女R>いいのよ・・・・。お母さんの仕事は大事なことだもん。人の生死に関わるとこだし。

光一Dr>よかったね?Rさんも、これで少しは寂しさを感じなくなると思うよ。
      ここは、あくまでクリニックだから入院施設もない。だから、お母さんも忙しい思いは、      しなくて済むからね?

      「では」というと光一Drはカルテを書き込む

光一Dr>君の場合は、病的なものではないので、薬は出しません。
      あとは、お母さんと仲良くしてな?

二人は、深々と光一に頭を下げると、クリニックを去って行く・・・。


ゆっくりと椅子から立ち上がると、冷蔵庫のある外来のブースで一人、氷入りコーラを一気に飲み干す。
窓越しの景色を見つめながら、去り行く秋の風とともに冬の到来を予測させる枯れた草木に感慨を深めている。
冬になると、嫌でも思い出してしまう。ある女性患者のことを・・・・。
今、どうしているのか?元気に生きているのか・・・・・それだけを心に秘めていた。

「懐かしいなぁ・・・・」ぽろっと言葉にしてしまい、周囲の看護師に「またですかぁ?」と、囃されていた。
もう、あの頃には戻れない・・・・。お互い、前に進むしかなかった・・・・。
あんな「さよなら」をこの人生で味わうとは夢にも思いもしないで――――

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