「宇宙西暦××××年」 ~Fly me to the moon~

俺は、ひとりシャトルに乗り込むと月へ向かった。
KOH-1のいる月へ・・・・・。
ずっと恋焦がれていた人に会うために・・・・。男同士でヘンに思われるうやろなぁ?
でも、男が男に惚れるっていうのも、ありといえば有りだと思うねんなぁ・・・。
そんなことをつらつらと考えながらシャトルが軌道に乗ったところで、俺はコントローラーを無人用に切り替えた。
やたら、喉が乾いた。水分補給をしなければ・・・。俺は、チューブのついたHANDY PACKを口にして一気に飲み込んだ。
そこへ、突然、月から通信が入った。俺はモニターに釘付けになった。
「久しぶりだな・・・。2-YOSHI・・・。」
俺は、まじまじと彼を見つめた・・・・・。
間違いない・・・・寸分違わず、KOH-1の姿が、そこにあった。
「・・・・おー!おー!久しぶりもいいとこやぁ!なんで、生きてるなら生きてるって言うてくれなかったんやぁ!?」
俺は、悪態をつくしかなかった。目の前に映し出されたKOH-1をまともに見ることが出来ないほど、彼は、まだ美しかった・・・・。
それから、まもなく月に着陸することになった。
シャトルの発着地点から、月のドームまで、ムービングロードに乗った。
白亜の建物の中に誘導されていく。

そこで、KOH-1が出迎えてくれて・・・・って、なんや、あの3人の娘らは・・・「?!」
KOH-1の後ろで、3人のヒューマノイド(だろうな)も俺を待ち受けているではないか?
俺は、それでなくてもKOH-1に聞きたいこと、話したいことが沢山あったのに、いきなり、こんな突っ込みどころ満載になった状況に、しどろもどろになっていくではないか?
俺の、そんなパニック状態にも、KOH-1は、冷静である。
「まずは、俺のプライベートルームに連れて行く。話は、それからだ・・・・。」
KOH-1の声に、辛うじて「うん」と返事をして、そのままKOH-1の部屋に通された。

「お前の聞きたいことは、まず人間の俺が生き続けているか?という事だろう?」
俺は、うん!うん!と頷いた。
KOH-1は、あの事故のことから説明してくれた。
あれも、トップシークレットのミッションの一つであったこと。
KOH-1がいなくなる=死んでしまう事で、ある局面を脱しなくてはいけなかった。
KOH-1は、死んでしまうという事で、カムフラージュしなくてはならない事があったのだ。
それは、「月への移住計画」の始動。それまで月では、ヒューマノイドが製造されていた。
と同時に月を第2の地球に・・・・というプロジェクトが極秘に進行されていて、そこへリーダーとしてKOH-1に白羽の矢が立ったのである。
しかし、KOH-1が人間であることは当然、寿命があって、志半ばで死んでしまうことになる。
それで、苦渋の選択となった。KOH-1をバイオ人間にする計画である。
バイオとヒューマノイドの違いは、ヒューマノイドは、臓器を取り替えるという手段で、延命されていたが、方やバイオ人間は、人間のDNAを保存して、そこからコピーをしガラス管の中で、培養されるもの。
この研究開発がヒューマノイドによって行われていた。すべてはKOH-1の延命の為だけに。
KOH-1が、生きていることを知らされなかったのは、その月への移住計画を誰にも気づかせないようにする為の苦肉の策であったのだ。
2-YOSHIは、「ふ~ん」と目の前のKOH-1を今度は、まじまじと見つめた。
「そんな目で、見るなよー!隠してて悪かったと思う。本当に、すまん!!!!」
KOH-1が、そう言って何度も頭を下げた。

「でなぁ?もう一個、聞いてもええ?さっきから、KOH-1の後ろにいる彼女たちは、一体なんなん?」

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