★☆斬 ~ZAN~ ★第九章  邪念  ☆★

3年前のこと。山下には婚約者がいた。
松岡にとっても大切なひとであった。

果たして、山下の婚約者とは松岡の実の妹であった。
その当時、松岡は、山下を弟のようにかわいがっていた。

そんな松岡は、まだ駆け出しの熱血刑事であった。
麻薬密売のシンジケートへの潜入が功を奏したのだ。
しかし・・・・。今回の案件では、彼の素性は、とっくに知られており、妹の身柄を奴らに拘束され結果的に殺されてしまった。


話の表面上は、暴力団のそれとわかるのだが、ひとつ。松岡は、どうしても腑に落ちないことがあった。
そもそも潜入捜査の段階で、こちらの身元がばれる?そんなことがありえるのか?

松岡は、一つの結論を導き出した。刑事である自分を利用していた人物こそ、前社長だったのだ。
その薬の取引の大元は、そもそも「山下グループ傘下」を名乗る幽霊会社だった。
そこで、毎日のようにヤクの取引がなされていたのだ。

そして、前社長の山下は、自分の妹であり、息子の婚約者であるリカまで手をかけたのだ。
その、からくりに気づけなかった自分自身を責め苛んだ。


松岡は、まず徹底的に敵である山下グループの不正を調べ上げた。
山下の亡くなった父親の、闇取引は、すべて「薬の密売」の温床だった。
そして、「鬼の堂本」の存在も知ることとなる。

異例の速さで、昇進した松岡は、「山下グループ」の悪を暴くために自ら進んで「潜入捜査」を志願する。
亡くなった山下の前社長の悪事は数え切れないものだった。

しかし、松岡が最も目を見張った事件が、「鬼の堂本」といわれた男と、その妻の「交通事故」と処理された一件だ。
そんな熱血漢の松岡の動きに身内である警察幹部たちは、内心ひやひやしていた。
組織ぐるみで、この事件を闇から闇へと葬り去ろうとしていたからである。
だが、この事件こそ、裏で手を引いていたのが、何を隠そう松岡であった。

松岡が、執念を燃やしていたというより実は、そんな素振りをして見せていただけっだったのだが。
この案件から、手を引かない限りはクビだと幹部から、圧力をかけられたのだ。

あくまでも悔しさをにじませるふりをし、かたや、ほくそ笑みながら自分の信念を貫くために方針を変えた。
現社長である、憎き山下を手玉に取ること。坊主憎けりゃ袈裟までもだった。

実体のない「M&M株式会社」を作ったのだ。
それらしく見せるためには、ある程度の潤沢な資金が必要。
ミイラ取りがミイラとなった。
松岡は、ヤクの取引をはじめた。顔なじみの暴力団幹部と親しくしておいて「ガサ入れ」の情報をリーク。


彼は、その見返りとして、賄賂を受け取っていたのだった・・・・・・・・・・・。

この記事へのコメント

SHINE@「地獄少女」のしもべ
2009年11月26日 10:26
実は、「地獄少女」にはまってました。
面白いです!おすすめです!
「あなた・・・いっぺん死んでみる?」
くぅううう!!言われてみたぁい!!!

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