★「ID」~帰還~★SF小説

どれくらいぶりだろう・・・。

地球の大地に足を踏み出した2-YOSHIは、目一杯この星の新鮮な空気を吸い込む。


「うまいっ!火星とは大違いやぁ!」と言いながら思いっきり背伸びをして、にんまり微笑んだ。

長旅の疲れも見せずシャトルから続々とヒューマノイドが降りてきて地球の同胞たちとの再会

を喜び合う。

2-YOSHIは、その中にRAINの姿を見つけた。

「やぁ!久しぶりやなぁ!RAIN!!」

そういって駆け寄り、人懐こそうな目をクリクリさせた。

「待ってたわ・・・。疲れたでしょ?さぁ。家まで案内するわ。」

とモーターカーに乗り込むと2人は早速、昔話に花を咲かせた。

2-YOSHIは窓越しに流れ行く景色の美しさに、いちいち「わぁ!」とか「ふえぇ~!」と無邪気

な歓声を上げている。

緑がますます豊かになったと同時に建物が自然との景観を邪魔していないところに何よりも喜

びを感じていたのだ。

そんな2-YOSHIを見るにつけRAINは胸が痛んだ。

これから彼が知ることとなる真実・・・。

RAINは心優しい2-YOSHIをずっと裏切るような形でいたことが悔やまれてならず、火星に行

ってしまった彼とも、いつしか互いに音信を絶ってしまっことは、ただただRAIN自身が後ろめた

さを感じていたからに他ならなかった。

「ちゃんと前向きぃな!」

「え?!」

「なんぼ俺が男前かて、ちゃんと前向いて運転せなぁ・・・」

「あ・・・。でも一応、このモーターカーは・・・・・。」

「そんなん分かってるって。ATO(無人切り替え仕様)やろ?冗談やて・・・」

くっくっく・・・・と口元に手をあて笑う仕草。

RAINも、思わずつられて笑ってしまった。

車内は、また、あの頃のように時が巻き戻っていった。


「はい・・・我が家に到着です・・・どうぞ」

とRAINは玄関先まで、ゆっくりと2-YOSHIを案内すると

「ちょっと待って・・・深呼吸させてぇな・・・。」

自動ドアが反応する手前で足を止めて、大きく息を吸い込むと目を閉じ大きく一歩前進。

音もなく開く扉・・・・と同時に

「いらっしゃい!!」

大きな声が耳に飛び込み、思わず目を開けると、ジュニアが立っていた。

「KO・・・・・KOH-1?!」

2-YOSHIが驚いて、もう一度、自分を迎えてくれた青年をまじまじと見つめる。

「KOH-1?・・・・だよな?・・・・え?違う?」

完全に動揺しているところへジュニアの背後から、もう一人の声がした。

「KOH-1は、俺だけど?・・・・。」


2-YOSHIの目前に二人のKOH-1が出現した。


~つづく~






ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

愛戦士桜
2007年07月12日 23:02
うわーーー!ほんとに突然の再会だね!
何の心の準備もないままの2-YOSHIの反応はどうなんだろう…。
KOH-1のやりそうなことではあるけど…すごいドキドキだよー@@;
Rain
2007年07月12日 23:35
あまりに突然のことで(@_@)???になりそうだよね?
ヒューマノイドの感情はどう反応するのか?反応するということは、心があるということ。心とは一体、なんなのか?そういう興味もあるなぁ。
関係ない話しだけれど、ダンゴムシの心はどこにある?という研究がなされているそうです。ダンゴムシも予期せぬ事態にパニックになることがあるんだって。学習能力とは別の次元なのかそこまでは不明ですが…。
SHINE
2007年07月13日 00:09
>愛戦士桜ちゃん
いきなり本人ご登場させちゃいました。ここは、間髪いれず。。。というところでしょう。
2-YOSHIの反応は?これからがKOH-1の腕の見せ所・・・と言いたい所ですが、微妙ですなぁ・・・。
KOH-1の考えることは、私にもわからん。←それじゃ駄目じゃん!
SHINE
2007年07月13日 00:27
>Rain
絶対、2-YOSHIは混乱してますねぇ。冷静になれというほうが無理だもんね?
生きとし生けるもの。。。動物でも植物でも「心」は、あると私は思っています。人間のように高尚なものでなくても。
また「鉄腕アトム」は、心を持ったロボットとしての草分け的存在。
だから私はヒューマノイドに心を持たせることにしました。

ダンゴムシの心はどこにあるか?とても興味深いですね?
敵が来ると体を丸めて防御する。じゃなくてパニックになるの?
パニックになったダンゴムシって見てみたい。。。(笑)

この記事へのトラックバック