★「ID」~決意~★SF小説

地球の自然治癒力は甚大なものがあった。

人類は過去の大罪を償うが如く、自然と共生している。

高層ビルの群れはなく、人口に相対した10階以下の建造物。

電力は水力・太陽発電を利用している。

そして、人類は、ほとんど自給自足の生活をしている。

犯罪などを抑制させるために、通貨は存在しない。

生活に必要なものは全て整っていた。

それとともに人口制限もしている。

これらは人類が発露したもの故、それに抗う者はいなかった。


ヒューマノイドは、人間と共存していたが、居住区域はセパレイトしていた。

RAINと、その愛息KOH-1ジュニアは、1棟の家で生活を共にしている。

仕事を終えたRAINは、家に戻るとリビングのワインレッドのソファに深々と身を沈めた。

ぼんやりと物思いに耽っていたところへ、「母さん!!」と息せき切って飛び込んできたのは、

KOH-1ジュニアだった。

RAINは、いきなり自分の世界に侵入してきた我が子に驚きながらも、気を取り直してまぶしそ

うに彼を見つめて言った。

「どうしたの?いきなり・・・」

「母さん、まだ聞いてなかったの?2-YOSHIが地球に一時帰還するんだって!!」

KOH-1ジュニアの額には薄っすらと汗が浮かび、頬は薔薇色に紅潮している。

「・・・・。そう。帰ってくるのね?・・・・。そう・・・・。」

あまりにも淡々と話すRAINに正直KOH-1ジュニアは肩透かしを食らっていた。

「なんだ・・・。もっと喜ぶかと思ったのに・・・・。」

ふいっと踵を返すとキッチンに向かってジュースをついできた。

ソファに腰をおろしてRAINと向き合う形で、ゴクゴクとオレンジの液体を喉に流し込む。

「ういぃーーーーーーっ!うまっ!」っと満面の笑みをこぼす。

何だかんだ言っても、こういうところは、まだまだ子供なのね?と微笑ましく見つめているRAIN

だった。

しかし、息子がもたらしたニュースにRAINは心を重くしていた。

「もう、これ以上は隠し通せない・・・・・。」

RAINは、ある決意を固めていた。


~つづく~

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この記事へのコメント

愛戦士桜
2007年06月28日 12:56
KOH-1ジュニアには名前がないのかな?
通貨がないって 面白いね。自然と共生、それが本来の姿なんだろうね。
今の世の中って文明が発達し、便利になりすぎてね、それが危険を生み出したりしてるものね。
SHINE
2007年06月28日 13:16
>愛戦士桜ちゃん
うん。そうなのだ。名前をつけてしまうとイメージが固定しちゃうので、あえてアメリカ的にジュニアとしました。
KOH-1ジュニアが名前だと思ってください。
通貨って一番、文明的だし、それが人心を狂わせる元だと気づいたんだね?人間も・・・。
自然と暮らすことに、喜びを見出したんだね?

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